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INTRODUCTION

『レ・ミゼラブル』でその名を世界に轟かせたラジ・リ監督最新作! これは、花の都が抱える“不都合な現実リアル”――あなたはパリの素顔を直視できるか

フランスが生んだ新進気鋭監督ラジ・リによる世界待望の最新作が遂に日本で公開される。
ラジ・リの名を一躍世界に轟かせたのは、前作『レ・ミゼラブル』。ラジ・リ監督のルーツであるパリ郊外(バンリュー)※1の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班(BAC)と少年たちの対立を手に汗握る圧倒的な臨場感で描き出し、観るものの心を鷲掴みにした。この作品は、第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞、第45回セザール賞4冠最多受賞(観客賞、最優秀作品賞、有望男優賞、編集賞)、第92回アカデミー賞®国際長編映画賞ノミネート、第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートなど各国の映画賞を総なめにし、世界に衝撃を与えた。

それから4年。ラジ・リ監督のもとに『レ・ミゼラブル』製作スタッフが再集結し、再びバンリューが抱える問題を持ち前の臨場感に新しい視点を交えて生み出したのが本作『バティモン5 望まれざる者』だ。前作と地繋がりのテーマを採用しつつも、そのドラマはより人間臭さを帯びながらさらに社会性をまとい、観るものを圧倒する力強さで進化した1作となっている。 本作で描かれるのは、移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による、“排除” vs “怒り”の衝突。恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で描かれる。このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”を炙り出していく。この街で不都合なものとは一体何なのか、望まれざる存在とは何を指すのか――その真髄を映し出した本作は、まさにラジ・リ監督の真骨頂と言えるだろう。
2024年夏季五輪を控えて盛り上がりを見せるパリ。世界的な注目を集める大都市が人知れず抱え続ける問題を、サスペンスフルかつエモーショナルにクローズアップした衝撃作がここに誕生した。

※1: フランス語で郊外を意味する banlieue(バンリュー)は「排除された者たちの地帯」との語源をもつ。19世紀より労働者の街として発展し、戦後は住宅難を解消する目的で大量の団地が建設された。団地人気が低下する1960年代末より旧植民地出身の移民労働者とその家族が転入し、貧困や差別などの問題が集積する場となった。

STORY

パリ郊外に存在する“10階建てのスラム”の一画=通称「バティモン5」
エリア一掃を目論む行政 VS 反発する住人たち。 “排除”と“怒り”の衝突を描く緊迫の105分

パリ郊外(バンリュー)。ここに立ち並ぶいくつもの団地には労働者階級の移民家族たちが 多く暮らしている。再開発計画があるこのエリアの一画=バティモン5では、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。
市長の急逝で、臨時市長となった医者のピエールは、汚職を追及されていた前任とは異なり、クリーンな政治活動を行う若き政治家だ。居住棟エリアの復興と治安改善を政策にかかげ、理想に燃えていた。一方、バティモン5の住人で移民たちのケアスタッフとして働くマリにルーツを持つフランス人女性アビーは、行政の怠慢な対応に苦しむ住人たちの助けになりたいと考えている。友人ブラズの手を借りながら、住民たちが抱える問題に向き合う日々を送っていた。
日頃から行政と住民との間には大きな溝があったが、ある事件をきっかけに両者の衝突は激化することになる。バティモン5の治安改善のために強硬な手段をとる市長ピエールと、理不尽に追い込まれる住民たちを先導するアビー、その両者間の均衡は崩れ去り、激しい抗争へと発展していく――。

DIRECTOR

1978年1月3日生、フランス、モンフェルメイユ(セーヌ=サン=ドニ県)出身。
役者として、また、1994年に彼の幼少期からの友人であるキム・シャピロンとロマン・ガヴラスが起こしたアーティスト集団クルトラジュメのメンバーとしてキャリアを始める。1997年、初の短編映画『Montfermeil Les Bosquets(原題)』を監督、2004年にはドキュメンタリー『28 Millimeters(原題)』の脚本を、クリシー、モンフェルメイユ、パリの街の壁に巨大な写真を貼ったことで有名になった写真家JR(ジェイアール)と共同で手がける。2005年のパリ暴動以降、クリシー=ス=ボワの変電所に隠れていたジエド・ベンナとブーナ・トラオレという2人の若者の死に衝撃を受け、1年間自分の住む街を撮影することを決意、ドキュメンタリー『365 Days in Clichy-Montfermeil(原題)』(17/未)を制作する。その後もドキュメンタリーを撮り続け、2014年には市民軍とトゥアレグ人が戦争を始めようとしている地域にスポットを当てた『365 Days In Mali(原題)』を、2016年には、NGO団体マックス・ハーフェラール・フランスの広告『Marakani in Mali(原題)』を監督する。2017年、初めての短編映画『Les Misérables(原題)』を監督し、2018年セザール賞にノミネート、クレルモンフェラン国際短編映画祭にて受賞。同年、監督・脚本家のステファン・デ・フレイタスと共同で『A Voix Haute(原題)』を監督し、再びセザール賞にノミネートされる。長編映画監督デビュー作であり、同名短編映画にインスパイアされた『レ・ミゼラブル』(19)は、第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞をはじめ、第92回アカデミー賞®国際長編映画賞フランス代表、第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートなど主要映画祭にて賞レースを席巻し、一躍その名を世界に轟かせた。2022年にはパリ郊外のスラム地区での暴動を映し出したNetflix映画『アテナ』で製作・脚本を手掛け、持ち味であるノンストップの凄まじさで話題を呼んだ。

1978年1月3日生、フランス、モンフェルメイユ(セーヌ=サン=ドニ県)出身。
役者として、また、1994年に彼の幼少期からの友人であるキム・シャピロンとロマン・ガヴラスが起こしたアーティスト集団クルトラジュメのメンバーとしてキャリアを始める。1997年、初の短編映画『Montfermeil Les Bosquets(原題)』を監督、2004年にはドキュメンタリー『28 Millimeters(原題)』の脚本を、クリシー、モンフェルメイユ、パリの街の壁に巨大な写真を貼ったことで有名になった写真家JR(ジェイアール)と共同で手がける。2005年のパリ暴動以降、クリシー=ス=ボワの変電所に隠れていたジエド・ベンナとブーナ・トラオレという2人の若者の死に衝撃を受け、1年間自分の住む街を撮影することを決意、ドキュメンタリー『365 Days in Clichy-Montfermeil(原題)』(17/未)を制作する。その後もドキュメンタリーを撮り続け、2014年には市民軍とトゥアレグ人が戦争を始めようとしている地域にスポットを当てた『365 Days In Mali(原題)』を、2016年には、NGO団体マックス・ハーフェラール・フランスの広告『Marakani in Mali(原題)』を監督する。2017年、初めての短編映画『Les Misérables(原題)』を監督し、2018年セザール賞にノミネート、クレルモンフェラン国際短編映画祭にて受賞。同年、監督・脚本家のステファン・デ・フレイタスと共同で『A Voix Haute(原題)』を監督し、再びセザール賞にノミネートされる。長編映画監督デビュー作であり、同名短編映画にインスパイアされた『レ・ミゼラブル』(19)は、第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞をはじめ、第92回アカデミー賞®国際長編映画賞フランス代表、第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートなど主要映画祭にて賞レースを席巻し、一躍その名を世界に轟かせた。2022年にはパリ郊外のスラム地区での暴動を映し出したNetflix映画『アテナ』で製作・脚本を手掛け、持ち味であるノンストップの凄まじさで話題を呼んだ。

2023
- LES INDÉSIRABLES
- THE YOUNG IMAM
- アテナ

2019
- レ・ミゼラブル

2017
- LES MISÉRABLES (短編)
- A VOIX HAUTE (ドキュメンタリー)
- CHRONIQUES DE CLICHY-MONTFERMEIL (ドキュメンタリー)

2015
- CLIQUE TV (TV)
- MR BRAINWASH (ウェブドキュメンタリー)

2013
- 365 DAYS IN MALI (ドキュメンタリー)

2010
- MALI SUR LA TRACE DES OTAGES FRANÇAIS (TVレポート)

2008
DES MAUX POUR LE DIRE (TVレポート)

2007
365 DAYS IN CLICHY MONTFERMEIL (ドキュメンタリー)

1997
MONTFERMEIL LES BOSQUETS (短編)

CAST

フランス、クレイユ出身。大学で学業を続け、スタートアップ企業に就職するが、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限時に1週間の演技のワークショップを受講。それをきっかけに女優を目指し始める。キム・シャピロン監督の『Le Jeune Imam』(23/未)のオーディションで脇役を獲得し、その後ラジ・リ監督に見出され、本作で自身初の主演に抜擢された。

1987年2月12日生、フランス、バニョレ出身。フレッド・カバイエ監督『友よ、さらばと言おう』(14)や、サマンサ・モートン主演のクライムアクション『The Last Panthers(原題)』 (TVシリーズ/15)、ロマン・デュリスとオルガ・キュリレンコが共演したフランス製サバイバルスリラー『ザ・ミスト』(18)、ラジ・リ監督『レ・ミゼラブル』(19)、ラジ・リ製作・脚本のNetflix映画『アテナ』(22)などに出演。ラジ・リ監督が立ち上げたアーティスト集団クルトラジュメのメンバーでもあり、監督とは古くからの付き合いがある。

少年時代から俳優への夢を抱き続け、経済学の学位を取得した後、プロの俳優としての訓練を受けることを決意。クール・フローラン演劇学校で1年学んだ後、CNSAD(国立高等演劇学校)の入学試験に合格。本作は映画出演デビュー作となる。

1982年7月20日生、フランス、イル=ド=フランス・ヴィルパント出身。
主な代表作に『レ・ミゼラブル』(19)、『私は確信する』(18)など。

1971年4月18日生、フランス出身。1993年から多数の映画やテレビドラマに出演。主な出演作に、ミシェル・ゴンドリー監督『恋愛睡眠のすすめ』(05)、マチュー・アマルリック監督『さすらいの女神たち』(10)、アリス・ディオップ監督『サントメール ある被告』(22)など。

1968年4月18日生、フランス・パリ出身。アルノー・デプレシャン、オリヴィエ・アサイヤス、ジャン=クロード・ビエット、マチュー・アマルリック、ブノワ・ジャコ、ジャック・リヴェット、ラウル・ルイスなど数々の名匠の作品に出演するフランスを代表する女優のひとり。近年の出演者作は『MEMORIA メモリア』(21)、『レ・ミゼラブル』(19)、『COLD WAR あの歌、2つの心』(18)、『バルバラ セーヌの黒いバラ』(17)など。

全体を通して、ラジ・リは混沌を巧みに演出している。
怒ってはいるが、絶望はしてない。

――THE WRAP

ラジ・リは直感的に迫力のあるシーンを演出する方法を知っている。
ディアウのアビー役は輝いている。

――THE HOLLYWOOD REPORTER

感情的な騒動に対して単純化された教訓を提供することをスマートに拒否している。

――SCREEN DAILY

ラジ・リ監督の脚本の最も強力な側面は、アビーが適切な経路を通して変革を追求しようとする努力が、どれほど強く阻まれるかを描き出していることだ。続編のための完璧な設定で幕を閉じている。

――INDIEWIRE

ラジ・リの緊張感を巧みに操る手腕は、このスリリングで道徳的に複雑な社会問題ドラマの見事な後半に明らかに現れている。
ラジ・リのこの地域への繋がりを感じることができる。
本作の終わり方はまさに適切な締めくくりだ。

――NEXT BEST PICTURE

バンリューを支配する特定の勢力とパラダイムを理解している。
ディアウとティアンチューがこのストーリーのハイライト

――THE DAILY BEAST

非常に複雑な問題を分析している驚異的な作品。

――SOUNDTRACK MAGAZINE

COMMENT

厳しい生活の中で目ををそらしたくてもあらゆる政治的なイシューから逃れられない移民の主人公たちと、その生活を無慈悲に踏みつける行政と愚かな権力者。
日本でも良く見る排除と断絶の悪循環の中で、自らがバンリュー出身の移民二世で当事者であるラジ・リ監督が主人公の目に希望の炎を灯した意味を考えてる。

――SITE (ヒップホップ何でも屋)

力強いタッチで街が切り取られている
ストリートの不満がボイリングポイントに達する時、
街が炎に包まれる。
この映画で描かれている気配はパリだけじゃなく
世界中の都市で起こっている事を描いている

――井上三太(漫画家)

フランスは移民の国だ。だからハレーションは起きる。政治も(日本と同様に)問題だらけだ。
でもというかだからこそ、アビーの「政治家が変わらないなら、私たちが声をあげなきゃ」の言葉には強く共感できる。つらい映画だ。でも観てよかった。

――森達也(映画監督・作家)

権力者が「必要のない人」を作り出す。
理由を奪う。生活を奪う。尊厳を奪う。
どう抗えばいいのか、突きつけてくる。

――武田砂鉄(ライター)

私自身、何度も取材で足を運んだバンリュー。生々しい現実が見事に描かれていて胸が詰まる思いがした。それでも差別や排除に正面から立ち向かうアビーのような女性や移民の支援に情熱を注ぐ人々が確かに存在する。それがフランスだ。フランス人とて3代遡ればルーツは移民。誰もが平穏に暮らせる日々を願ってやまない。

――増田ユリヤ(ジャーナリスト)

衝突する世界で見つける、人間性の深淵。この映画が問いかけるのは、私たちの社会における“排除”とは何か。

――スプツニ子(アーティスト/ 東京藝術大学デザイン科准教授)

今のフランスにある複雑なレイヤーが見事に描かれ、暮らす場所、人種、宗教、それぞれが立つ場所によってここまで見えるものが違うのだということがありありと伝わった。
誰かの都合や怒り、復讐のために他者の家や安心を奪うことはあってはならない。アビーが市長になるような、そんな未来があって欲しいと切に願う。

――川和田恵真(映画「マイスモールランド」監督)

移民は「暴力を振るう恐ろしい外国人」だと? それは絶対に違う。国、政治家、国民が、弱い立場の移民を暴力へ駆り立てていくプロセスを、この映画をもって知れ!

――石井光太(ノンフィクション作家)

「あなたの知らないパリがある。」
フランスで日々深刻化している移民問題。人々が安心して暮らせるユートピアは、この地球上にあるのだろうか。決して他人事では済ませて欲しくない。私たちの国でも起こっている様々な人権問題に目を背けないようにしたい。

――美波(俳優・アーティスト)

フランス革命によって誕生した民主主義精神は、その後に成立する国民国家体制と合わさることで大きな矛盾を抱えることになる。どこまでが、誰が主権を有するのか? その矛盾が当のフランスの移民たちの団地であるバティモン5で一気に噴出する。僕らはこの問題を乗り越えることが出来るのか?

――ダースレイダー(ラッパー)

私が知っているパリではなかった。
行政から見た「不都合な現実」に生き、排除を望まれる者たちの怒りや悲しみがスクリーンを越えて訴えかけてきた。身の回りの政治にとっての「不都合な現実」はどれくらいあるのだろうと想像せざるを得なかった。

――井上咲楽(タレント)

誤解が偏見を呼び
偏見が憎悪を呼ぶ
絡まった移民問題は
感情的な対立を伴う

この映画に希望はない
ただ作品が示す俯瞰的視点が
人々に共有されたとき
そこに希望が生まれるだろう

――寺尾紗穂(音楽家/文筆家)

移民として厳しい環境で育った監督の本作品は、様々な角度からの視点があった。
小さい頃から主人公と同じような現場を目撃し、考え、悩んで、笑って、同じような日常を過ごしてきたからこそ生まれた作品だと思う。 それだけでなく一歩引いた外からの目線も表現されていて監督の冷静な人間性も垣間見れた。世界中の「よくある」移民団地の問題の中から、「よくある」で片付けられない「滲み出た本質の声」が聞こえてくる素晴らしい作品だった。

――名越啓介(写真家)

ニュースで現状を知っているつもりだった?と突きつけてくるような作品。「理不尽」という言葉が頭を巡るが、「諦めるのはもうやめよう」などハッとするセリフもあちこちにある。パリ五輪の今年にぜひ観て欲しい。

――プチ鹿島(時事芸人)

この映画の登場人物たちの中に100%正しい者はいないし、100%の悪人もいない。みんな、それぞれに守るべきものがあり、そのためにそれぞれの仕方で限度を超えた行動をとる。どこまでなら人を傷つけることが許されるのか、どこまでなら感情をむき出しにすることが許されるのか。『人間が人間らしくあることのできる限度』はどこまでか。それについて深く省察することを映画は観客に求める。

――内田樹(神戸女学院大学名誉教授)

冒頭のビル爆破から、嫌な予感はしていた。権利を持つ者/持てない者、フランスにおける強者/弱者。見える世界はまったく異なり、映像から伝わる大きな怒りや理不尽さ、無理解、憎しみに胸を痛めつつ見ていた。日本だって似た問題を抱えている。これは、私たちから遠く離れた社会で起きた話ではなく、すぐ隣で起こりうることなのだと思う。

――あたそ(ライター)

落書き、低所得、移民、犯罪……「バンリュー」と聞いて、外にいるわたしたちはそういうことばを安易に連想する。だからカメラは中に入っていく。団地の中へ、暮らしの中へ、「反抗的」と烙印を押される人の心の中へ。外と中のボーダーを越えたい人に観てほしい。

――金井真紀(文筆家・イラストレーター)

作り手が我々と同じ時代を生き、傷ついている安心感。
物語も感情も技法も今・この瞬間の感覚で出来ている。
だからわかる。突き刺さる。魂が揺さぶられてしまう。
現実を描く風で現在を描けていない映画とは訳が違う。
この団地に吹き溜まる痛みは、世界とつながっている。

――SYO(物書き)

五輪で沸くパリの周縁で進行する、郊外団地の再開発。立ち退きの危機に瀕した移民が行政に決死の戦いを挑む。監督の個人的経験に基づいた衝撃作。

――森千香子(同志社大学教授)

「お洒落で小綺麗なパリ」ではない、いま最も熱く昏いフランスの「団地映画」。
汚れた 公設団地で暮らす移民たちの絶望があますところなく描かれ、 どこにも出口のない迷路に、観ている側も殴られるように思いきり連れ込まれる作品だった。

――佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)

※順不同・敬称略

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